1対1の個別指導の限界(その2)
1対1の個別指導といえば、昭和時代は家庭教師が一般的でした。塾は少なかったのです。
私も大学に入学してすぐに家庭教師のアルバイトをしました。地元の新聞に私の名前と住所と電話番号を掲載し、希望者から連絡があるのを待つスタイルです。個人情報の保護などという概念はありません。今では考えられませんね。
私が担当したのは小学5年の男子です。ついこの前まで高校生だった私が小学生に勉強を教えるというのですから、考えてみたら恐ろしい話です。当然、熱血指導など全く頭になく、ただドリルをさせて時間をつぶすだけです。さらに、この小学生の家は和菓子店で、指導中に和菓子やお茶が保護者の方から差し入れられます。実は、これがくせものなのです。なぜくせものなのかというと……。